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着物の知識

三代目更勝|更紗が染まるまで

染物

2024/11/15

皆様こんにちは。

 

PCに入っている写真データを整理していたら、

かなり前に撮影したレアな画像を発見したので、

ご紹介します!!!!

 

タイトルの通り、更紗が染め上がるまでを

分かりやすくする為に、三代目更勝さんの工房で

サンプルとして染められた反物の写真です。

 

「手描き」と「型染め」と聞くと、何となく「手描き」の方が

手間がかかって高級な物というイメージを持たれると思いますが、

実は、ちゃんとした「型染め」って、すごく手間がかかっています。

 

どう手間がかかるか?と言うと、一反の更紗が染め上がるまでに、

約40cmの型紙を生地の上に置いて、約1,000回~9,000回程度と

気の遠くなる程型染めを繰り返すんです!!!!

 

どうして、そんなに多くの回数を染めなくてはいけないのか?

 

一枚の型紙の長さが約40cmなんですが、反物は約13mあるので

1300cm÷40cm=32.5と計算し、型紙一枚当たり約32回の染を繰り返します。

 

型紙一枚当たり32回染めるので、32回×型紙の枚数が

一反の更紗を染め上げるまでに繰り返す染の回数になります。

 

ちなみに、今回ご紹介する柄ですと、40枚(無地)もしくは

41枚(摺り疋田)※の型紙を使って染められているので、

32×40=1,280回もしくは、32×41=1,312回の型染めが

繰り返されていることになります。

 

※無地、摺り疋田については、写真の最後をご覧ください。

 

こう説明されても、実際に見てみないと、何が凄いのか

よく分からないですよね ^^;

 

早速、どのようにして染められていくのか見てみましょう!

 

まずは柄の輪郭線から染め始めるのですが、

その輪郭線だけでも4枚(4種類)の型紙を使っています。

 

 

 

 

 

4枚の型紙を使って、ようやく輪郭線が完成しました。

 

次の写真(型紙)からは、少しずつ色が入っていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで、ほぼ柄は染め上がっています。

 

以下、地色の部分を「摺り疋田」という染色技法で

絞り柄を表現したパターンと、

地色を無地に染めたパターンに分かれます。

 

 

① 地色部分に摺り疋田を入れた場合

 

 

 

 

 

4枚の型紙を使って、絞りの模様が染め上がりました。

型紙を重ねるごとに絞りがハッキリと見えてくるのが分かると思います。

 

 

②地色を無地に染めた場合

 

 

 

 

無地に染めると言っても、一回で染める訳でなく、

3枚の型紙を使って染めます。

そうすることによって、より色の深みが増し

立体感が出るようになります。

 

 

いかがでしたでしょうか?

これが「型染め」の更紗です!

 

今時、ローラー捺染やインクジェットで染めれば

もっと簡単に着物になるのですが、こうして職人が

染めた物には、奥行きや深みがあります。

着物として仕立上がった時に、色と柄に力があります!!!!

 

現在では、かなりレアな着物になってしまいましたが、

数反は在庫しています。

更紗に興味がある方は、お気軽にお問合せください!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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