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やまぶん日記

【続】くりこし寸法と衿の抜き具合|最近、気になっていること。

女将の日記

2024/8/23

みなさんこんにちは。

 

昨日「 くりこし寸法と衿の抜き具合|最近、気になっていること。 」

という記事を書いたのですが、「写真がなくて分かりにくい」と

店主から言われて、ちょっとだけ反省している女将です(笑)

 

確かに、写真がないと分かりにくいですよね ^^;

本当は動画にすると良いのですが、なかなか難しいので

そこはご容赦ください。

 

さて、今日は昨日の続編というか、補足と言うことで

どういったことか写真を撮ってみました。

 

初めにお伝えしておきますが、今回の記事は

フォーマル系の着物に関してです。

誤解のないように、最後まで読んでいただけると幸いです。

 

 

●まずは、私物の色留袖

 

 

私は衿を大きく抜くのが、あまり好きではないので、

程々の抜き具合。

 

 

衿の抜き具合の好みと、くりこし寸法が合っているので

家紋(背紋)も美しく中心に出ています。

 

続いて、くりこし寸法以上に

衿を抜いて着付けた場合↓↓↓↓

 

 

 

家紋の位置が、帯のお太鼓側に下がっています。

まだ家紋が見えていますし、許容範囲とも思いますが、

家紋が帯に隠れてしまっている着付けも、よく見かけます。

いくら何でも、それは抜きすぎかな ^^;

 

こういった場合は、もう少し

くりこし寸法を大きくして仕立てるか、

衿の抜き具合を少なくすると、

全体的にキレイな着付けになると思います。

 

 

●続いて、こちらも私物の附下。

 

 

まずは、自分好みの抜き具合で着付けてみます。

 

 

附下や訪問着、振袖には胸に柄があるのですが、

ちゃんとした位置に柄が出ています。

 

 

 

一方、すこし衿を大きく抜いてみると・・・

 

 

先ほどの着付けより、胸の柄が肩に近くなっています。

 

実際に画像を並べてみると・・・

 

 

胸の柄位置が違うのが分かると思います。

 

この写真では、あまり気にならないかもしれませんが、

実際に胸の柄が肩まで上がってしまって、

柄が見えなくなってしまっている方を、SNSなんかでよく見かけます。

 

この場合も、衿を大きく抜きたい場合は、

くりこし寸法を大きく取ると、胸の柄位置が

美しく見える場所に収まります。

 

 

ネットで「衿の抜き方」と検索し、

SNSや動画サイトを見ると

「くりこし寸法が小さくても衿は抜けます!」的な

ことを言っている方もいらっしゃって、

くりこし寸法と衿の抜き具合は、あまり関係ないと

誤解をしてしまっている方も多いように感じます。

 

それが間違っているという訳ではなく、

フォーマル系、カジュアル系と着物によって

違いがあるということを、お伝えしたいんです。

 

色無地や小紋、紬なんかだと、あまり問題にならないかもしれませんが、

家紋が付いている着物、附下や訪問着なんかは、

くりこし寸法が重要です。

 

和裁士目線で言うと、衿を大きく抜くなら、

くりこし寸法も考慮して~!と思っちゃいます。

 

何故なら、染屋さん、和裁士さんは、

その着物が一番美しく見える柄の位置を

考えて着物に接しているからです。

 

こういった所が、昨日書いた

「和裁士、呉服屋、着付師とそれぞれに認識がズレていると感じる」と

書いた理由です。

 

染屋、和裁士・・・くりこし寸法を考慮し、家紋や柄の位置を重視する。

呉服屋・・・お客様の好み、着方の癖を考慮して、くりこし寸法を考える。

着付け師・・・衿の抜き具合を重視する。

 

ちなみに、上で「色無地や小紋、紬だと、あまり問題にならない」と

書きましたが、和裁士は、小紋や紬でも上前の胸(左胸)、かけ衿の柄を

見せるポイントを考慮して柄合わせをしています。

※着物の寸法や、柄付けの加減で、思い通りにならない場合もあります。

 

そういったことって、なかなかお客様に伝わらないのですが・・・

当店では、お客様の好みをお聞いて、

どういった寸法が良いのか?くりこし寸法をどうしたらいいのか?等々

ご相談を承っております。

 

相談だけでも、喜んでお受けしますので、

お気軽にお問合せ下さいね!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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