みなさんこんにちは。

暑い日が続いていますが、いかがお過ごしですか？

久しぶりにブログの記事を書いている女将です！

さて、ちょっと着物警察的な話になるのですが (^^;

最近SNSや動画サイトを見て

気になっていることがあるので、書いておきます。

文章だけで、ちょっと分かりにくい話になりますが、

興味のある方は読んでいただけると幸いです。

それは「衿の抜き方（抜き具合）」について。

実は、いろいろなサイトを見ていて、

和裁士、呉服屋、着付師とそれぞれに認識が

ズレていると感じるんです。

着付師さんは、どちらかと言うと

衿の抜き具合を美しく見せることを優先している方が

多いと感じます。

逆に、和裁士目線では、着付時の抜き具合より

くりこし寸法にこだわっていたりします。

衿の抜き方（抜き具合）は、

くりこしの寸法よりも、どちらかと言うと

着付けによって変わるので、あまり重要視されていない

感じを受けるのですが、着姿という観点から見ると、

くりこし寸法は、とっても大切！！！！

ちょっと写真を掲載できないのですが、

一番分かりやすい例でいうと、黒留袖の背紋。

インスタ等で「黒留袖」を検索してみてください。

そして、背紋の位置を気にして見てみてください。

衿を抜きすぎる着付けだと、背紋が帯方向に下がり過ぎていたり、

酷い着付けだと、背紋が帯に隠れてしまっている方も

いらっしゃいます。

衿が付いている所と、帯の上側との中心あたりの位置に

家紋がくるのが美しい着付けだと感じると思いますし、

そうなるように仕立てられています。

特に、色留袖、色無地（家紋を入れる場合）、別誂えの黒留袖は、

くりこし寸法から割り出した位置に背紋を入れているので、

帯に背紋が隠れてしまうということは、仕立てた寸法以上に

衿を抜いているということです。

また、違った例で言うと、附下や訪問着。

附下や訪問着には、胸に柄が入っているのですが、

くりこし寸法が少ないのに、衿を抜きすぎると

「胸の柄」が「肩の柄」になってしまっている

着姿の方を多く見かけます。

衿の抜き具合を優先するのか？

柄の位置（留袖の場合は紋の位置）を優先するのか？

どちらを優先するのかは、好みの問題ですが、

極端に衿の抜き具合を優先すると、柄や紋の位置だけでなく、

袖付けの位置もズレたりして、美しい着付けにはなりません。

リサイクルの着物や、譲られた着物、

すでに持っている着物については、くりこし寸法を

変えるとなると、仕立て直しをしなくちゃいけないので、

ちょっと大変です。

しかし、仕立て直しを予定している着物や、

今から仕立てる着物に関しては、くりこし寸法を

考慮していただくと、着姿も美しくなると思います。

特に、訪問着、附下の他、背紋が入る留袖や色無地を

誂えるご予定がある方は、呉服屋や和裁士に

相談することをオススメします。

文章だけで伝えるとなると、なかなか難しい話なんですが、

「くりこし寸法と衿の抜き具合」に関して、いつでも

ご相談に乗りますので、お気軽にお立ち寄りください。

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