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やまぶん日記
本場結城紬と石下(いしげ)結城紬の違い 【着物と羽織編】
2023/11/24
皆様こんにちは。
以前こちらのブログで
「 本場結城紬と石下(いしげ)結城紬の違い 」という
記事を書きました。
PVも多く、反響もあって感謝しかありません。
ほんとうにありがとうございます m(__)m
さて、この本場結城紬(以下:本場)と
石下結城紬(以下:石下)の違いですが、
以前に書いた通り、証紙や製法などの知識部分の違いは
ネットを検索すれば多く出てきます。
(あまり難しく考えず
本場結城紬=全てが手作業で製織された紬。
石下結城紬=ある程度、機械化して作られた紬。
と、簡単に認識していただければ、それほど
問題はないと思います。)
しかし、実際に触れたり、着用して比較した
記事はほとんど見かけません。
そこで、本場と石下を同時に比較してみたくて
網代織の石下で羽織を作って、何回か着たので
改めて感じた違いを書いてみたいと思いますので、
しばしお付き合いください (^^)
▲着物が本場、羽織が石下を着ています。
くどいようですが、クリック厳禁です(笑)!!!
※尚、今回の内容は、店主の主観的な感想です。
実際に違った感想を持たれる方もいらっしゃると
思いますので、ご了承ください。
ここから本題ですが、前回の記事で
【また、表面だけでなく、生地全体を揉むように触った感触としては、
石下結城紬の方が柔らかく感じられます。
「柔らかく感じる」というと、石下紬の方が着やすい様に思われるかもしれませんが、
その柔らかさ故に、着ていると石下の生地にはコシが無い様に思えて、
柔らかい中にもコシがある本場結城紬の方が着やすく、着崩れも少ないです。】
と書きましたが、やはり同じような感想を持ちました。
もっと分かりやすい表現はないかなぁ・・・と考えていましたが、
本場の方は「なんか紙っぽい」という表現がしっくりきます。
「紙っぽい」と表現すると、ネガティブな印象を
持たれるかもしれませんが、触れた感じが
上質な和紙の様に感じます。
そして、揉むように触ると、
柔らかい生地というより、上質な和紙か真綿に触れている
感触に近いと思います。
一方、石下の方は、「紙」に感じるという感触より
「紬の生地」という感覚に近いと思いますが、
やはり、他の紬とは違った結城紬独特な
感触を感じることは出来ます。
その理由としては、やはり糸の違いや、
手織りと半自動織機の違いなんじゃないかと思いますが、
石下結城紬もホントに良く出来ています。
▲本場結城紬の拡大写真
真綿から手で紡がれた、撚りのない糸を使って
いるのが見て取れます。
▲石下結城紬の拡大写真
あまり撚りのない糸に見えますが、本場より綺麗に整っています。
また、糸が交差している箇所が見て取れます(赤丸部分)。
これは、おそらく真綿糸に生糸を絡めて撚り合わせて
いるのが理由だと思います。
特に経糸は、自動織機に掛ける場合、ある程度の
強度が必要になるので、こういった生糸が絡んだ糸で
強度を上げていると推測するのですが、詳しくは
織元の人に聞いてみたいと思っています。
▲参考までに、結城紬と表記されているけど
結城紬と呼べない怪しい結城紬の拡大写真です。
明らかに本場、石下と違い経糸は
普通の撚りがかかった糸を使っています。
こういった違いが、着た時の肌触りを含む
「着心地」に現れてきます。
「じゃあ、結局どっちがいいの?」っていうのが
皆様の気になるところじゃないかと思います。
個人的には、本場の方が着崩れも少なく
着心地も良いと思っています。
しかし、本場と石下の価格差を考慮すれば
石下は本当に良く出来ているんですよ!
実際に、本場と石下を着物同士で比べると
着心地の違いって気になるのですが、
今回みたいに着物は本場、羽織は石下だと
生地を触った感触しか違いは分からないと思います。
まれに、石下結城紬=偽物みたいな扱いを
されることがありますが、決してそんなことはありません。
十分に結城紬の魅力を感じることができます。
「結城紬が欲しい」とか「結城紬が着てみたい」と
思われて色々検索した結果、当HPに辿り着かれた
方もいらっしゃると思いますが、可能であれば
本場と石下の両方に触れてみて購入されるのが
良いんじゃないでしょうか?
いつでも店頭で触れていただける様に
していますので、お気軽にお申し付けくださいね!
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