copyright yamabun CO., LTD.All Rights Reserved

新着情報

やまぶん日記

本場結城紬と石下(いしげ)結城紬の違い

店主の日記本場結城紬

2022/9/16

皆様こんにちは。

またかよ・・・と言われてしまうかもしれませんが

今回も結城紬についてです。

 

結城紬に憧れて興味を持った方が、いろいろ調べ始めると

まず「本場結城紬」と「石下結城紬」があることに気付かれると思います。

本場結城紬と石下結城紬の違いについては、さまざまなサイトで

説明されていますが、読めば読むほど分からなくなってくる方も

多いんじゃないか?と心配しています。

 

本場結城紬と石下結城紬の違いについて語るには

大きく2つのカテゴリーに分けて語らないといけないと思います。

 

① 素材や製法、証紙の見分け方などの知識部分

② 実際に触れたり、着用したりして感じる感性の部分

 

①を説明している呉服店のサイトや、個人ブログはたくさんあります。

でも、②を可視化したり、言語化しているサイトを見たことはありません。

だから「結局、何が違うの?」という疑問が湧いてくるんじゃないでしょうか?

 

①の知識部分は、もう既に知っているよ!って方も多いと思いますが

もしご存じない方は、本場結城紬卸商協同組合か奥順株式会社のホームページを

見ていただくのが、一番正確で正しい情報です。

 

本場結城紬卸商協同組合のホームページ

 

奥順株式会社のホームページ

 

さて、問題なのは②です。

何故、この②を説明しているホームページが無い(少ない)のか?というと、

同じ条件の本場結城紬と石下結城紬を、実際に触れたり

着用したりして比べることは皆無だからです。

 

トップ画像を見てください。

色違いで2枚の結城紬(網代織)の写真です。

 

 

グレーっぽく見える方が本場結城紬(地機)で

茶色っぽく見える方が石下結城紬です。

私の私物ですが、同じ時期に作り、ほぼ同じくらいの回数を着ています。

裏が同じ物ではないので、完璧に比較するのは難しいのですが、

②について両者の違いをお伝えしたいと思います。

 

手で表面に触れた感触としては、本場結城紬の方がザラついた感じがします。

おそらく、真綿から手で紡いだ糸と、手紡糸(手と機械で紡いだ糸)の違いです。

結城紬は新しいうちは、表面に毛羽立ちがあるのですが、本場結城紬に使われる

手で紡いだ糸の方が、毛羽立ちが多いことが原因だと考えられます。

 

↑本場結城紬の拡大写真

 

↑石下結城紬の拡大写真

※同じ方向、同じ倍率で撮影した糸の拡大写真

 

この二枚の写真だけでは分かりにくいのですが、

着物全体を拡大写真で見渡すと、本場結城紬の方が毛羽が多いことが分かります。

 

また、上の本場結城紬の糸は、その一本一本が真っすぐなのに対して

下の石下結城紬の糸には撚りが見え、一本一本の細い糸が斜めに走っている箇所や

一本の糸なのに、二本の糸が絡み合っている様に見える箇所があるのが分かると思います。

これが真綿から手紡ぎで取った糸と、機械で引いた糸との違いです。

 

また、表面だけでなく、生地全体を揉むように触った感触としては、

石下結城紬の方が柔らかく感じられます。

「柔らかく感じる」というと、石下紬の方が着やすい様に思われるかもしれませんが、

その柔らかさ故に、着ていると石下の生地にはコシが無い様に思えて、

柔らかい中にもコシがある本場結城紬の方が着やすく、着崩れも少ないです。

 

実際に着た感触で一番大きな違いを感じるのは、暖かさです。

本場結城紬は、冬場でも着て歩くと暑いくらいです。

それは、本場結城紬に使われる真綿手紡ぎ糸の方が、生地の中に含む

空気の量が多いからだと思います。

 

軽さに関しては、体感としてはあまり変わりません。

しかし、本場結城紬の軽さが本領発揮するのは、一度洗い張りをしてからです。

新品の頃は毛羽立ちが多く、着込むほどに毛羽立ちが無くなってきます。

その頃に洗い張りをして仕立て直すと、新品の頃より軽くフワフワに感じます。

 

どうですか?実際の違いを文章にすると、こんな感じになります。

でも、結城紬に興味を持った方には、実際に触れて、着ていただきたいのです。

いくら言葉や文章で、その違いや魅力を説明したからといって、

実際に触れるのとは大きく違います。

 

「石下結城紬もいいじゃない!」とか、

「やっぱり私は本場結城紬の方がいいわ!」とか、

「どちらも欲しいわ!」とか(笑)!

 

実際に見て、触って、着て選んでいただきたいと思っています。

 

当店では、この本場結城紬と石下結城紬の網代織だけでなく

洗い張りしてフワッフワになった本場結城紬を

実際に触って、試着していただける様にしています。

 

ちなみに、本場であれ石下であれ、結城紬にパールトーン加工は

お薦めしていませんが、あえてパールトーン加工してある本場結城紬も

見本として置いてあります。

 

結城紬については、まだまだ書きたいことがたくさんあります。

しかし、何を読むより、実際に触れていただくのが一番です。

 

いつでもご来店いただければ、いろいろな結城紬に触れていただけます。

当店では、無理に何かをお勧めしたり、強引な販売は一切行っておりませんので、

お気軽にお問合せ、ご来店ください。

 

 

 

 

+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 

着物のことなら何でも、やまぶん呉服店にお任せください。

 

別誂え・仕立・お手入れ・加工・リフォーム等
お問い合わせはお気軽に電話またはLINE、
ホームページ内のお問合せフォームより受け付けております。

 

+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 

やまぶん呉服店

 

〒503-0904
岐阜県大垣市桐ヶ崎町63番地
℡ 0584-78-3750
URL:http://gifu-yamabun.jp/wp/

 

+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

その他の新着情報

やまぶん呉服店

所在地
〒503-0904 岐阜県大垣市桐ヶ崎町63

【車でご来店の場合】
大垣西ICより車で約10分

【電車でご来店の場合】
JR大垣駅南口より徒歩約5分

お問い合わせ

ご来店前に、一度相談しておきたいことなど、
どんな些細なことでもご相談お待ちしております。
下記のお問い合わせ方法からお選び頂けます。
※商品の販売に関しては、
対面販売のみのご対応となります。

Zoom でオンライン相談

オンラインでも Zoom を用いて、
現物をお見せ頂きながら
ご相談いただくことも可能です。
お問い合わせ時にご相談下さい。

お問い合わせフォーム

各種お問い合わせは
下記フォームよりお願いいたします。

    氏名必須

    住所必須

    TEL必須

    E-mail必須

    お問い合わせ項目必須

    自由記入欄必須